どうも、てつさんです。
昨日は足の調子が良くなったと書きましたが、今日は起きたらまた足の痛みがぶりかえしてました…。このすねの内側の痛み、やっぱりシンスプリントなのかな?なかなか頑固です。
というわけでこの週末は完全休足することにしました。今日はしばらく放置していた自分の本棚やクローゼットの整理をして過ごしました。
ちょっと仕事も来週はバタバタと忙しくなりそうなので、来週末の名古屋シティマラソン、不安がいっぱいです…。
とりあえず家にあるかぶりものを出してきてみた(ウォーリーとピカチュウは以前やったので却下)。
どれがいいと思いますかね?
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東京マラソン2017出走記【30km~フィニッシュ編】
*前回までのレポはこちら
東京マラソン2017出走記【プロローグ・EXPO編】
東京マラソン2017出走記【当日朝~スタート編】
東京マラソン2017出走記【スタート~15km・はてなランナーとの邂逅編】
東京マラソン2017出走記【15~30km・予想外の再会編】
帝国ホテル前で嫁さんとムスメちゃんの応援を受け、気力は十分だった。いわゆる30kmの壁はその時点では全く感じていなかった。
この日比谷通りを南下したら、待ちに待った東京タワーだ。僕はなぜか東京タワーの姿形が大好きで、中沢新一の「アースダイバー」を読んでからあの赤色の構造物は東京の守り神なのではないかと思っている。
なので、レース終盤に東京タワーが姿を現すのをとても楽しみにしていたのだ。
が、内幸町の交差点を越え、西新橋の交差点にさしかかろうとしたところで、異変が起こった。
左膝の上あたりの大腿四頭筋が突然、ピクピクピクピクッと痙攣を始めたのだ。
やばい、攣る…。
突然の事態にパニックに陥る。去年10月のしまだ大井川マラソンのあと、両足のふくらはぎが同時に攣って10分ほどその場で動けなかった記憶が蘇る。
えーっと、こういう時はどうすればいいんだ?みんな、足が攣った時は止まってストレッチやってるから止まるべき?でも岩本(能史)コーチの本だったっけ、ストレッチはしてはいけない、ペースを落として走り続けろって書いてあったような気もする…。
どちらにしても止まったり歩いたりするとサブ3.5が遠ざかることになる。それなら少しでも前に進んだほうがいいんじゃないか。そう判断し、ペースを落とす。慌ててポーチの中を探り、藁にもすがる思いで2RUNのタブレットを口に放り込んだ。
しまだ大井川の時のような足攣りが起こったら、歩くのもやっとになってしまってレースは終わる。まだ10kmあるんだ、冗談じゃない。左膝の痙攣と相談しながら、攣りがひどくならなさそうな程度にできるだけスピードを落とさずに前へ進んだ。
1kmラップが5分20秒程度に落ちた。ただ、止まってストレッチをしても、それでキロ4分50秒台に回復してさらに止まった分を挽回できる保証はない。止まらず進む。それまでは周りのランナーをどんどん追い抜きながら走っていたのだけど、今度はどんどん追い抜かれるようになってしまった。
せっかく楽しみにしていた東京タワーが右側に見えてきたというのに、視界には入ってこなかった。ただ必死に、攣らないように左足に意識を集中した。コースは単調な直線コース。御成門、芝公園といった知っている地名はでてくるものの、折り返しの高輪までどれくらいの距離があるのか、まったく想像がつかなかった。
残り10kmを切っているというのに、泣きたくなってきた。
でも、ちょっと落ち込みながらもペースを落として走り続けているうちに、だんだんと左膝の痙攣がおさまってきた。おそるおそる少しペースを上げてみる。大丈夫そうだ。そうやって少しずつペースを上げながら進むと、三田のあたりでは1kmラップを5分10秒程度まで上げることができるようになった。
【30km~35km:25'49"(5'10"/km ave.)】
35km通過は2時間56分10秒。残り34分で7km超。冷静に考えるとかなり厳しいのだけど、痙攣もおさまってきたので、まだあきらめていなかった。2袋目のアミノダイレクトを口に入れ、ギアを上げる。計算はできないけど、キロ4分半くらいでなんとかなる?
ようやく高輪の折り返しが見えてきた。あとは今来た道を戻るだけだ。35kmの給水で水を取り、痙攣していた左膝にかけた。走れ、自分。
ピクピクピクピクッ
が、その気合いは36km過ぎ、泉岳寺の交差点を過ぎたあたりで見事にへし折られた。左膝が再び痙攣し始めただけでなく、右膝の上の大腿四頭筋も同じように痙攣を始めたのだ。
あー。
両足が同時に攣るとそれこそ歩くのもやっとになる。本当にレースが終わる。絶望的な気持ちになりながら、ペースを落とした。あと6kmちょっとなのに。
サブ3.5を、あきらめた瞬間。
早い段階でサブ3.5が無理になった時の代替策は考えていなかったので、ぼんやりした頭を必死で働かせて作戦を練り直す。このままペースを落とし始めたらどこまでもずるずるとペースを落としてしまいそうだった。
そもそもサブ3.5と言いだしたのはレースのほぼ10日前。それまではサブ3.45と言いながら3ヶ月間練習してきたはず。それなら、足の被害は最小限にして3時間45分は死守しよう。そして、もちろん最初のミッション、笑ってフィニッシュは達成しよう。
気持ちを切り替えて(あんまり切り替わらなかったけど)前へ進む。心肺には余裕があるのが逆に悔しい。両足が攣らないように膝に意識を集中する。
1kmラップでは5分40秒を切れなくなってきた。今までは給水は5kmごとにスポーツドリンクをとっていたが、初めて38kmすぎで水を飲み、最後のゼリーバーを口にした。ついでに給食のバナナも食べようと思ったが、テーブルに近づくために歩こうとしたら両膝の痙攣がひどくなったのであきらめて走り続けた。
気付いたら40kmの表示が近づいていた。
【35km~40km:28'59"(5'48"/km ave.)】
40km通過は3時間25分9秒。それでもあと5分弱で2.195kmか…と計算する往生際の悪い自分がいた。3時間45分は残り20分あるのでさすがに大丈夫そうだけど、両足をかばいながら走っているせいで、ふくらはぎも痛くなってきた。ペースはさらに落ちていく。
残り2kmの表示を見て、最初のミッションを思い出す。そう、残り2kmはこれまでの道中を思い出してウイニングラン。これを言ってたのはnaoさんだったかな?
でも、走りながら思うのはサブ3.5できなかった、ということばかりだった。はてなランナーの皆さんの顔(※ただしアイコン)を思い浮かべながら走る。みんなサブ3.5を応援してくれてたのになあ。申し訳ないなあ。
日比谷の交差点を曲がり、さらに交差点を左折して丸の内仲通りに入ると、石畳の道の両側に応援の観衆がいっぱいに広がっていた。
壮観だった。
進路を道の右側にとり、手を出してくれる応援の人の手に右手を合わせながら走った。こんなにたくさんの応援、笑顔に迎えられてフィニッシュに向かえるなんて、なんて幸せなんだろう。自分も笑顔で走らなきゃ、と改めて思った。
東京マラソンが終わる。ある日突然東京マラソンを走りたくなってフルマラソンに挑戦するようになり、幸いにも2回目のチャレンジで抽選に当たって、楽しみに楽しみにしていた東京マラソンが終わる。
これでサブ3.5達成してたら、満足して走れなくなってしまったかもしれないなあ。サブ3.5達成できなかったのは、神様がまだまだ走れよって言ってるのかもなあ。なんにせよ、サブ3.5で走る実力は今の自分になかったってことだ。
幸せな、幸せな2kmが終わり、行幸通りへ。行幸通りに入ったらすぐにフィニッシュゲートが見えた。ラスト、ダッシュをする足は残っていなかった。ミッションは笑顔でフィニッシュだ!右手を突き上げ、フィニッシュラインをまたいだ。腕時計を見ると、3時間38分という文字が表示されていた。
【40km~フィニッシュ:12'58"(5'54"/km ave.)】
振り向いてフィニッシュの写真撮ってみたけど人大杉
フィニッシュ後、ボランティアさんに誘導されてランナーサービスに向かう。歩みを止めると足が攣りそうなので、大きく足踏みしながら前へ進んだ。フィニッシャータオルに続いてメダル、ポカリスエット、水、バナナ、カロリーメイトを受け取る。
なぜだか鼻の奥がつんとしてきて、悔しさでもない、悲しさでもない、嬉しさでもないわけの分からない感情が込み上げてきた。なんだろこれ。フィニッシャータオルで顔の汗を拭くふりをしながら、迎えてくれるボランティアさんに笑えるように顔を作ろうとしたけど、なんだかうまくいかなかった。
荷物受け取りに進む前に、道路の片隅で休んでいる他のランナーさんにお願いして写真を撮ってもらった。お互いに写真を撮り合って、また東京で会いましょう!と言って別れた。
僕の更衣場所は大手町サンケイプラザだったので、日比谷公園まで歩かされたランナーさんよりは負担は少なかったと思う。更衣室で着替えながら、ブログに速報をアップした。一応、初めてサブ4達成した4ヶ月前のしまだ大井川から19分ほど縮めた自己ベストだったけど、目標のサブ3.5には届かなかった。改めて、足が痙攣したことが悔やまれた。心肺に全然余裕があったのは心拍計のデータを見ると明らかだったから、足が痙攣したということはそのペースで走る足ができてなかったということだ。これが、今の自分の実力ということだね。やっぱり、スタミナが課題だな。フィニッシュ地点でもらったカロリーメイトをほおばりながら、そう思った。
その時、携帯電話が鳴った。嫁さんからだ。
僕「もしもーし」
嫁「ちょっと!フィニッシュしてから1時間近く経ってるのに全然連絡ないけど何やってんの!」
あっ
(連絡するの忘れてた)
Fin
次回、反省会です。