どうも、てつさんです。
昨日の名古屋シティマラソンの興奮がまだじんわりと体の中に熱として残っているようで、今日は一日仕事中もふわふわした感じでした。懸念された膝も思ったより痛くならず、普通に階段の登り降りもできましたよ。
今回の名古屋シティマラソンのハーフ、自分の中の位置づけとしては今シーズンのメインレース。前回PBを出したお伊勢さんマラソンハーフのあと1時間45分(そしてもちろんPB更新)をこのレースの目標タイムに掲げたわけですが、その後右膝痛がいまひとつ芳しくなくてここ2ヶ月ほど練習でも満足に走れておらず、前日までは目標達成は半分あきらめていました。
そして迎えた3月13日朝。スタート地点のナゴヤドームは自宅から電車を使って40分程度なのでいつもよりも家を出るのもゆっくりで起きてきたムスメちゃんに見送られて家を出たのですが、実は家を出る前にレースで履くシューズをどうするか、とても迷ったのです。
前回PB出したお伊勢さんで履いていたのはasicsのLyteracer。でも、軽くてスピードでるけどクッション性は劣るので膝には良くなさそう。最近の練習では膝の負担を軽くするため底の厚いクッションのしっかりしているミズノのWAVE RIDERを履いているのです。やっぱりPB狙うならLyteracerかな…と一度はそちらを履きかけたのですが、やっぱりここで膝に無理をかけてしばらく走れなくなるのも嫌だしな…と結局WAVE RIDERを履いて家を出たのでした。もうこの時点で1時間45分の目標に向けては「できたらでいいかな…」とすごく消極的な気持ちでした。
地下鉄のナゴヤドーム矢田駅を降りて会場へ。
名古屋シティマラソンはフルマラソンの名古屋ウィメンズマラソン(女性のみ)のオマケ的な扱いなんですが、もう会場への入口の時点でこうですよ!フルマラソンとその他の扱いの違い!(不満!不満!)男もフルマラソン走らせろー!(無理です)
一緒に走るラン友さんたちと合流したあと、荷物をゴール地点の白川公園に運んでくれるトラックに預けて、しばらくやることがなくなったのでドーム横のイオンモールのフードコートに座って時間つぶし。そして9時50分になったのでスタート整列地点に移動します。気温9℃、天気は晴れ。走るのには絶好のコンディション。
今回は自分の申告タイムが2時間だったらしく(確かにエントリー当時の自己ベストは1時間57分だった…)Uブロックスタート。相当後ろからのスタートなので10時20分のスタートの号砲が鳴った後も全然前へ進む気配がありません。これは相当ロスだな…と思いながら列が動き始めるのを待ちます。
モニターに映し出されるスタート地点で手を振るドアラ。やっと列が動き始めましたが、この写真を撮った時点でスタート6分経過。まだスタートラインを越えられません。
しばらくのろのろと前に進んでいきましたが、ある地点から突然列が広がってみんな一斉に走り始めました。「え、スタート地点?」と思ってその時点で慌ててGPSの計測をスタートさせてしまったのですが、実は本当のスタートラインを越えたのはその約40秒ほど後のことでした。結局号砲からスタートラインを越えるまでのロスは8分40秒ほど。まああんまりグロスタイムは気にしないのでいいんですけど。
さて、今回名古屋シティのコースは学生の頃にさんざん自転車で走り尽くした道ばかりなので少々のアップダウンもだいたい頭に入っています。というかほとんどアップダウンのない高速コースのはず。だからこそPB狙いをしようと思っていたのですが、いざ走り始めると意外と膝の違和感がない。それなら、ととりあえず1時間45分を達成するためのプラン【7kmを5:10/km→7kmを5:00/km→7kmを4:50/km(これだと1時間45分を30秒ほど超えてしまうのであとは微調整)】を実行することにしました。ペースは腕につけたadidas fit smartで計測です。
0-5kmラップ 5:26/4:48/5:09/5:08/5:10
ちょっと最初はペースがつかめなくてペースを上げすぎてしまいました。ペースを上げても膝の痛みは感じなかったのでまずは5:10/kmペースを維持するように走ります。やっぱりUブロックスタートだったので周りのランナーは僕よりもゆっくり走る人が多く、人を避けながら前に進むのに疲れました(笑)。
環状線をひたすら南下。沿道の応援も賑やかで、これが都市型マラソンか!と感動しまくりです(実はこういう都市マラソンを走るのは初めて)。
5-10kmラップ 5:03/5:01/4:47/4:50/4:57
若干ペース速いかな?と思ったのですが、最初の7kmをほぼ想定通りで走り、なおかつ膝の痛みもそれほど強くならなかったので、予定通り次の7kmを5:00/kmへアップです。この時点で少しadidas fit smartの測る1kmが実際の1kmより短いのでは…?ということに気付いたのですが、ある程度自分の感覚に頼ることにしました。
お伊勢さんマラソンでは7km付近で「ランナーズハイ・スイッチ」が入って自分でも信じられない走りができたので、「今回もスイッチ入らないかな…」と思っていたのです(こういう成功体験が人を狂わせますね)。すると、まさに7kmあたりで足が勝手に進み始めるではありませんか!
「来たぜランナーズハイ・スイッチ!」と思い一気にペースを上げようと思ったのですが、ふと冷静に周りを見回すと、ゆるやかな下り坂…。「これか…」足が軽くなったのは下り坂のせいということで、スイッチは入っていないことにしてさらにキープペースを心がけます。
11-15kmラップ 5:03/4:46/4:55/4:44/4:45
コースは堀田を折り返していままで来た道を戻ります。スタート地点では顔を出していた太陽も、曇り空に隠されて本当に走りやすい天気。相変わらず自分は膝との対話を続けます。
「まだいける?」「そんなに痛くないけど、大丈夫?」
膝は返事をしてくれませんが、痛みを発して訴えるわけでもなく、たぶんまだ大丈夫なんだろうなあ、と解釈して14km、さらに4:50/kmにペースアップをすることにします。ペースとしては想定通り。まだ、足は生きてる。
ただ、この時点ではまだ目標の1時間45分を目指すかどうか、まだ迷っていたのです。1時間46分でもPBだしな…という甘いささやきが自分の頭の中でぐるぐる駆け巡ります。
15-21kmラップ 5:01/4:41/4:36/4:42/4:48/4:24
15km地点でポーチに忍ばせておいたSAVAS Pit In(カフェイン入り)を補給しました。苦しかったら補給する、苦しくなかったら補給しない、と決めていたのですが、確かにこの時点ではそこまでは苦しくなかったです。ただ、ここまであんなに不安だった膝が痛むこともなく走ってこれて、目標の1時間45分も狙えるところにいる。しかもそれを達成するには普段でもなかなかできない4:50/kmというペースを維持しなければいけない。それならきちんと補給をしてこのペースを維持できるようにすればいいんじゃないか?という判断でした。結果としてこの判断は正解だったと思います。
桜通に入ります。あとはこの道をまっすぐ、栄を横切って伏見まで行けばゴールは近い。ランナーズハイ・スイッチは相変わらず入らないまま。4:50/kmのペースはだんだん苦しくなってきます。ああ、やっぱり1時間45分は無理かなあ、せめてPBは達成したいなあ…と、弱気になった時。
道路の向こうから大音量の音楽が。
「そうさ100%勇気~」
アニメ「忍たま乱太郎」の主題歌「勇気100%」を誰かが沿道で大音量スピーカーで流しているようです。ちょうど18kmと19kmの間の辺りだったと思う。
なんかね、こういう時にこういうのは反則だと思うの。
勇気かあ~、膝が、膝が~とか言いながらなんだかんだでここまで想定通りのレース運びだよね~。でも目標達成するにはギリギリだよね~。もう少し、もう少し、膝が膝がとか言い訳せずに、勇気を出して前へ進めば目標達成できるんじゃないかなぁ~。
なんか鼻の奥がちょっとツンとしたような気がするけれど、しばしの自問自答。膝は何も答えてくれません。
「行くか」
決断する勇気。
行けそうだったら行こうじゃないか。
腕の時計を見ても、確かスタートラインをまたぐより40秒ほど早く計測を始めているのであとどんなペースで走ればいいのかぱっと計算できません。とにかくしばらく4:50/kmを切るペースで走っているのは分かっているので今のペースを落とさなければなんとかなるのかな?とにかく前へ進もう。
残り1kmの表示を通過したときの腕時計の時間は1時間41分。残り4分だけど、40秒引いて、あと5分弱で1km走れば1時間45分に間に合う…ぼーっとした頭で計算をして、計算が合ってるかどうか分からないけれどペースを上げます。結局膝も、足もまだ生きてる。もう沿道の応援もなにも目に入らなくなりました。
日銀前の交差点を左折し伏見通へ。あとは直線コースでゴールの白川公園です。息を吐くたびに声が出てしまいますが気にしません。どこだゴールは。まだかゴールは。
ゴールゲートを通過したとき、時計の1時間53分という文字が目に入りました。確かスタート地点でのロスは8分40秒ほど…でもとっさのことでゴールの瞬間の時計の秒までは確認できませんでした。PBは間違いなく達成できただろうけど、ネットタイム1時間45分切りは微妙…。
ただ、完全に出し切った感があったのでPB達成だけでも満足だな…と誘導にしたがって白川公園の中に入っていきます。ガールスカウトの女の子たちからドリンクやバナナを受け取って、とりあえずスマホで速報を確認。
この画面を見た瞬間、安心したのか、左のふくらはぎが攣りました(笑)。なんだ、やればできるじゃん、俺。
あとちょっと次回へ続きます。